ユダヤ教の未確認生物ジズ
ジズはベヒーモス、リヴァイアサンと並び、ユダヤ教に登場する巨大な未確認生物です。
その姿は巨大な鳥と言われ、他の二匹と合わせて世界の陸・海・空を管轄しているイメージですね。
各々がそれぞれの領域を担当している様な感じですが、普段は何をしているのか今いち不明瞭ではありますね。
世界の終わりに人間の食料になったりと言う運命は決まっている様ですが。
ジズの巨大さを表すエピソード
鳥の王とされる空のジズに関しては、その巨大さを表す代表的なエピソードが存在します。
それは、ある時船乗りたちが海上でジズを見つけました。
ジズは海に立っている様に見えて、それを見た船乗りたちは「鳥の足が着くぐらいだからこの辺りは浅いはず」と思い込みました。
船から海に飛び込もうとすると、「ここは斧を落としたら底に着くまで7年かかる深さ」とジズが教えてくれたと言います。
その大きさが分かると共に、心優しい部分も垣間見えるエピソードですね。
実際ジズが人間に対して害を与えた様な記述は出てこないんですね。
世界を南風から守っている
そもそもジズは、世界を南風から守っていると言われて来ました。
これは、ジズがいなかったら南から吹いてくる暴風に世界は苛まれると言う話ですね。
実際はこのような暴風が南から吹き続けると言う事実はありませんが、昔の伝承の中では信じる人もいたんだと思います。
もう一つジズにまつわる逸話は、秋分の日に限定されます。
秋分の日には、その翼で大きな音を出し、なおかつ鳴き声を響かせます。
これにより、他の鳥類の仲間である鷲や鷹の食欲を低下させ、結果的に食物連鎖を安定させていると言います。
大昔のエピソードにしては妙に具体的なのも面白いですが、多彩なエピソードを持つのもジズの特徴かもしれませんね。
元々ジズは登場しなかった?
一説にはジズは最初から存在していたわけではないと言います。
と言うのも、ユダヤ教の聖典である旧約聖書の中には、ベヒーモスとリヴァイアサンの記述はあってもジズのみないんですね。
元々三柱の巨大未確認生物は、陸のベヒーモスと海のリヴァイアサンの二匹しかいなかったと言う事になります。
しかし、聖書詩編の中には「ジズ」と言う単語は二度登場します。
ではこのジズが一体何を指しているのかと言う事が問題になってきますね。
本来ここでのジズと言う単語は、訳すと「野の獣」と言う意味合いになります。
それがいつの間にか文章の前後の文言などから、神秘的な鳥と言う風に解釈してしまったんですね。
こうして陸と海に続き、空の王者も誕生したと言うわけです。
最近の研究では、ここで書いたようにジズは誤訳から誕生した未確認生物と言われています。
他の二匹と比べて、その姿があまり残されていないのもそういった要因によるんだと思います。
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