大昔の中国で暴れまわった蚩尤
ここ数年爆発的な人気を誇る漫画「キングダム」の中に蚩尤の名は登場します。実際これを通して名前を聞いた人は多いでしょう。
キングダムの中では大昔の暗殺者一族の名称として出てきますが、元々蚩尤は古代神話に登場する魔神とも怪物とも言われる存在です。
ちなみに蚩尤と書いて「しゆう」もしくは「しゅう」と読みますね。
おおよそ日本で生活していたらお目にかからない漢字だと思います。私が初めて蚩尤を知ったのは漫画孔雀王だったと思いますが、その中では強力な力をもつ悪神として登場していました。
現在でこそネットを通じて色々な情報を得る事が出来ますが、書籍しかなかった昔には蚩尤の事を調べようにもなかなかたどり着けなかった記憶があります。
今回古い記憶を頼りに、蚩尤についていろいろまとめてみたいと思います。
蚩尤は獣かロボットか
中国の書物『路史』の中では体は獣で頭は銅で出来ていると書かれています。
そして何故か額だけ鉄でできていると言われ、ピンポイントでここだけ鉄?とも思うんですがそこは古代の人の感性によるものなんでしょうか。
阿修羅の様に頭が四つあって手が六本あったりとか、日本の鵺の様に牛と鳥と人間が合わさった様な記述だったりもします。
ディティールが非常に細かいんですが、イマイチ外見の概要を得られない漢字がしますね。
魔神と言われるだけあって、超能力があったり非常に好戦的な事から戦の神様と目される事もあります。
兄弟の数も81人居たとされ、一人じゃない事が驚きですね。
イラストを見るとどこかコミカルでロボットの様な印象も受けます。
鉄などを食料としていたと言いますから、それも要因なんでしょう。大きく人間離れしていると言うか中国そのもののスケールの大きさみたいな物も感じれます。
似たような所でギリシャ神話に登場するヘカトンケイルがいますが、ひょっととしたら蚩尤にインスパイアされてギリシャに取り込まれた物かもしれませんね。
夢がある話だと超古代文明を要する民族が作ったロボットの様なものなんじゃないかと思います。
いまより進んだロストテクノロジーが古代の中国には存在していて、それを記録に残したのが蚩尤だとしたら面白いですね。
黄帝に戦いを挑んだ蚩尤
蚩尤にまつわるエピソードには黄帝がワンセットです。
ちなみに黄帝と言うのは、これまた古代中国の偉い王様で三皇伍帝と呼ばれる人物の中の一人です。
非常に賢人で、その後の中華の国はすべからく黄帝の子孫が作ったとも言われています。
行ってみたらヒーローの様な存在ですね、そこに当時戦いを挑んだのが蚩尤だと言うわけです。
その動機は黄帝を倒しその玉座を手にするためと言いますから、好戦的な蚩尤の性格が上手くあらわされてると思います。
戦いが始まると兄弟たちの他に妖術を使って様々な魔物を使役したと言います。
もうこなるとなんでもありですね。更に強風や雷等天変地異も起こし黄帝を苦しめたと記されています。
特に霧を発生させて戦いを困難にさせたとありますが、そこで黄帝は指南車と呼ばれるキョンシー映画に出て来るような丸い銅板を使って蚩尤の位置をあぶりだします。
その後当時の中国でも恐れられていた龍の鳴き声を轟かせ、蚩尤がおびえた所を一気に捕縛したとの事です。
こうして蚩尤と黄帝の決着はつきましたが、なにせこの蚩尤現在まで非常に愛されています。
日本でも漫画などで取り上げられる事の他に、一種のお守りの様な役目も持っていす。
元々戦の神様としての側面もあった事から、家の間口に飾っておくとその他の魔が寄ってこないとされていました。
日本の鬼瓦、ヨーロッパのガーゴイルの様な物ですね。
様々な研究では、蚩尤は当時の何かを比喩した物だとも言います。
反乱を起こした庶民族の頭目とか、自然災害の比喩だと言う事です。
個人的にはホントに存在した謎の生物もしくは古代平気だったら面白いなと思います。
[当記事の著作権はhttps://chahoo.jp/に帰属します]2017/06/01当記事の無断転載は禁止しています。