バハムートが竜の姿で書かれる由来は
バハムートと言うと「竜王」と言うイメージが付きまとい、その姿も巨大な竜の姿で描かれる事が多いです。
特にゲーム内で登場する事も多く、有名な所ではファイナルファンタジーの中に登場しますね。
このイメージが広く浸透し、特に日本では竜の王様として認知している人が多いでしょう。
しかし、バハムートは元々竜では無く巨大な魚の姿として古代の文献に登場します。
バハムートとベヒーモスの関係
バハムートが最初に登場する書物は聖書のヨブ記になります。
ここではベヒーモスと言う名の巨大なカバの様な怪物として描かれています。
海にはリヴァイアサン、空にはシズ、陸にはベヒーモスと言う三大巨頭の内の一つを担う事が書かれています。
その外見は今で言うとカバの様な物で、何でも食べてしまう怪物とされています。
神自らその創造を褒め称える描写も出てきたり、ただの怪物と言うよりは神秘性もあり動物の中でも最高傑作と称されていますね。
一説には世界に一頭しかおらず、文献によっては貪欲な悪魔とされる事もありますが元々は豊饒のシンボルでした。
このベヒーモスをアラビア語に読んだ物がバハムートになります。
同時に聖書からアラビア圏にその存在が広まっていくと、何故か途中から巨大な魚として広まってしまいました。
ですのでバハムートは厳密に言うと竜ではなく魚と解釈する方が普通なんですね。
超巨大なバハムートの姿
このバハムートと言う魚、とにかく巨大です。
アラビアの千夜一夜物語の中にも登場しますが、ここではイエス・キリストが神によりバハムートを見せてもらえる機会が出来ます。
目の前を通過して行くバハムートを一目して、その巨大さにキリストは気絶してしまいました。
そのまま三日三晩倒れていましたが、意識を取り戻すとまだまだバハムートは眼前を通過しきっていなかったと言います。
この逸話からもどれだけ巨大だったかが伺えますが、古代の地球の様相でもあった「神が作った大地を支える怪物」の内の一匹として考えられていました。
数々の天使と聖なる雄牛クジャタ、そして最下層にそれらを支える存在としてバハムートがいると信じられていたんですね。
地球が丸いと判明する以前の古代では、似たように複数の巨大な生物が大地を支えていると言う物が多かったんですが、代表的な物で時代が下ると一番下を巨大な亀、その上に数匹の象が乗り大地を支え、更に天空には大蛇が包むと言う観念が出てきます。
今の様に科学が発達していなかった時代はこうした身近な動物が神性を帯び、色々な学問にも登場する様になります。
合わせて地球は丸く無く巨大な一枚の大地だと考えられていたんです。
バハムートが竜ではないと知っている人はどれほどいるか
この様に昔の書物には規格外のサイズの生物が出てくるのも興味深いですね。
バハムートが元々魚だと知らない人は多い様です。
その名前は知っているけどやはりゲームの中から広まったイメージが強いんでしょうか。
最初は聖書に登場したと言う事も日本ではあまり周知されていませんね。
名前の響きからエンターテイメントの題材になるには持って来いだと思います。
バハムートって言う単語の響きがかっこいいじゃないですか、「ドラゴンの王様」っていう感性はある意味至極当然かもしれませんね。
今回は幻想生物カテゴリーの中のバハムートについて書きましたが、昔の中東あたりの書物に出てくる物は記述が面白い物が多いですね。
今後も書いて行こうと思います。