UFO情報開示2026とは?──米政府「PURSUE」で公開された公式UAP記録の中身を徹底解説

最終更新日 2時間 ago by OKAYAMA

2022年8月、イラン近郊の海上で編隊飛行する4つのUAPを捉えた米政府公式映像のフレーム
▲ 2022年にイラン近郊の海上で記録され、2026年のPURSUEで公開された「編隊飛行する4つのUAP」の公式映像フレーム(引用元:アメリカ国防総省 / Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

「政府が、UFOのファイルを公開する」——そう聞くと、これまでは陰謀論やオカルトの世界の話に聞こえたかもしれません。

ところが2026年、その言葉が現実の制度になりました。アメリカ政府が、UFO(UAP=未確認異常現象)に関する記録を、公式サイト上で一般公開し始めたのです。しかも、出どころはCIA、FBI、NASA、ペンタゴン(国防総省)といった、まぎれもない政府機関です。

ネット上では今、「ついに宇宙人の存在が認められた」といった言葉が飛び交っています。しかし、実際に公開された資料を読み、政府の発表を確認していくと、話はもう少し冷静で、もう少し複雑です。

この記事では、2026年に始まった「UFO情報開示(ディスクロージャー)」とは具体的に何なのか、どんな映像や画像が公式に公開されたのか、そしてそれが「宇宙人の証拠」と言えるのかどうかを、政府の一次情報と報道に基づいて整理していきます。

「PURSUE」とは何か──大統領の指示で始まった公式開示

2019年に米海軍の艦艇から撮影された球状の未確認物体の公式画像
▲ 2019年に米海軍の艦艇(USSオマハ)周辺で撮影された球状の未確認物体。こうした記録が公式に公開されている(引用元:アメリカ国防総省 / Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

2026年2月、ドナルド・トランプ大統領が連邦政府の各機関に対し、UFO・UAP・地球外生命に関連するファイルを特定し、機密解除して一般公開するよう指示しました。この動きの背景には、アンナ・ポーリナ・ルナ議員やティム・バーチェット議員ら、共和党の一部議員による「政府は宇宙に関する秘密を隠している」という長年の追及がありました。

この指示を受けて立ち上がったのが、PURSUE(Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters=UAP遭遇に関する大統領機密解除・報告制度)と呼ばれる仕組みです。

ここで一つ、ネット上でよく見かける誤解を正しておきます。公開の窓口となっている公式サイトのドメインは「alien.gov」ではなく、国防総省の war.gov/ufo です。「エイリアン専用サイトができた」という話が一部で広まっていますが、実際には国防総省の公式ドメイン上に開示ページが設けられている、というのが正確なところです。

開示に関わっているのは、国防総省(ペンタゴン)、エネルギー省、国家情報長官室(ODNI)、NASA、FBI、CIAなど、複数の政府機関にまたがっています。国家情報長官のトゥルシー・ギャバード氏は、これを「包括的な多機関による機密解除プログラム」と説明しています。

公式に公開された映像・画像の中身

2019年に米海軍の艦艇から夜間に撮影された緑色の三角形の未確認物体の公式画像
▲ 2019年に米海軍の艦艇(USSラッセル)周辺で夜間撮影された、緑色の三角形に見える未確認物体(引用元:アメリカ国防総省 / Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

PURSUEは一度きりの公開ではなく、資料を精査しながら順次公開していく「ローリング・ディスクロージャー(段階的開示)」の形をとっています。2026年に行われた主な公開を、時系列で見ていきましょう。

第1弾(2026年5月8日)

最初の公開では、160件を超えるファイルが war.gov/ufo 上に掲載されました。内訳は、軍の報告書、目撃者へのインタビュー、パイロットの証言、政府内のメモ、写真、そして約20本の映像です。対象とする時代は1944〜1945年から現在まで及びます。

注目を集めたのは、アポロ計画の写真、月面のUFOについて語るNASA宇宙飛行士の交信記録、「オーブ(光球)が別のオーブを射出する」様子を記録した法執行機関の報告、葉巻型物体の目撃情報などです。ただし、公開されたファイルのうち100件ほどには黒塗りやモザイク処理が施されていました。

第2弾(2026年5月22日)

第2弾では222件の新規文書に加え、約51本の音声記録と40本以上の映像が公開されました。2022年にイラン近郊で編隊飛行する4つのUFOを捉えた映像や、UFOが撃墜される様子とされる映像、アポロ12号ミッションに関連する「グリーン・ファイアボール(緑色の火球)」などが含まれていたと報じられています。

第3弾(2026年6月12日)

第3弾では、CIA・FBI・NASA・ペンタゴンを出どころとする、53件の文書、10枚の画像、6本の映像、3本の音声が公開されました。軍事施設付近で目撃された「緑色のオーブ」「円盤」「火球」の209件の目撃情報、オレンジ色の「マザー・オーブ」が小さな赤いオーブを射出したとする報告(2026年6月5日付、AARO〔全領域異常対策室〕のジョン・コスロスキ所長による報告)、2022年にシャイアン・マウンテン複合施設の上空で目撃された白い「ジャガイモ型」の物体、そしてロズウェル事件に関する文書などが取り上げられました。

これらの資料はいずれも、国防総省の公式ページ war.gov/ufo から確認できます。本記事で紹介した映像・画像も、すべてこの公式ポータルが一次情報源です。気になる方は、ぜひ実際に公式サイトで原資料を確認してみてください。

それでも「宇宙人の証拠」ではない──政府自身の慎重な姿勢

ここが、この話のもっとも重要なポイントです。

これだけの資料が公開されても、アメリカ政府自身は「地球外生命の存在が確認された」とは一言も言っていません。むしろ、繰り返し慎重な姿勢を示しています。

国防総省は、公開資料について「ここに保管されているのは未解決の事案であり、観測された現象の性質について政府が確定的な判断を下せていないものを意味する」と説明しています。トランプ政権も、第1弾の公開に際して「これらの資料は地球外生命の確実な証拠を提供するものではない」とし、「国民が自分自身で結論を導き出せばよい」と述べました。

国防長官のピート・ヘグセス氏は「最大限の透明性」を目標に掲げ、アメリカ国民に「自分の目で確かめてほしい」と語っています。

つまり今回の開示は、「政府が宇宙人の存在を認めた」のではなく、「政府が、まだ説明のついていない記録を、判断を保留したまま国民に開示した」というのが正確な理解です。この違いは、とても大切です。

専門家はどう見たか──評価と、冷静な批判

米海軍機が撮影した高速で移動する未確認物体「GoFast」の公式赤外線映像フレーム
▲ 米海軍機が赤外線カメラで捉えた、海面付近を高速移動する物体「GoFast」(2015年撮影、2020年公式公開)。専門家はこうした映像のメタデータ不足を指摘しています(引用元:アメリカ国防総省 / Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

この歴史的な開示を、UAP研究者たちはどう受け止めたのでしょうか。賛否の両方がありました。

評価する声としては、元国防次官補(情報担当)のクリストファー・メロン氏が「存在するファイルの規模そのものが、一つの発見だ」と述べています。研究者のグラント・ラヴァク氏は、重要なのは「内容そのものよりも、公式に認知されたというプロセスだ」とし、これによってUAPが「フリンジ(周縁)から主流へと引き上げられた」と指摘しました。

一方で、冷静な批判も少なくありません。研究者のアレハンドロ・ロハス氏は「座標やセンサーの諸元、高度のデータがない事案の要約だけでは、独立した分析は非常に困難だ」と述べています。メロン氏も「政府は証拠を公開しているが、分析は公開していない」という核心的な問題を指摘しました。退役海軍少将のティム・ギャロデット氏は、メタデータが欠落しているため「どの物体も本当に異常なものだったと結論づけることは不可能だ」と述べています。

つまり「資料は大量に出たが、検証に必要な情報が抜け落ちている」というのが、専門家側の冷静な評価です。センセーショナルな見出しとは裏腹に、研究者たちはむしろ慎重に距離を取っているのです。

今回の開示にいたるまでの「公式UFO映像」の系譜

米海軍機が撮影した回転する未確認物体「Gimbal」の公式赤外線映像フレーム
▲ 「Gimbal(ジンバル)」と呼ばれる映像。回転するように見える物体を米海軍機が記録した(2015年撮影、2020年4月に国防総省が公式公開)(引用元:アメリカ国防総省 / Wikimedia Commons・パブリックドメイン)

実は、政府がUAP映像を公式に認めたのは、2026年が初めてではありません。今回の大規模開示は、ここ数年の流れの延長線上にあります。

最も有名なのが、2020年4月にアメリカ国防総省が正式に公開した、海軍の3本の映像です。「ティック・タック(Tic Tac)」「ジンバル(Gimbal)」「ゴーファスト(GoFast)」と呼ばれるこれらの映像は、海軍パイロットが訓練中に遭遇した、説明のつかない飛行物体を記録したものでした。国防総省はこれらを本物と認め、その存在を公式に認めました。

さらに2022年には、アメリカ議会で約50年ぶりとなる公開のUFO公聴会が開かれ、同年、UAPを専門に調査する政府機関 AARO(全領域異常対策室) が議会の指示で設置されました。2023年7月26日には、元情報将校のデイヴィッド・グラッシュ氏が議会で「アメリカ政府は墜落した非人間起源の機体を回収・保有している」と証言し、大きな波紋を呼びました。

ただし、これらの証言が事実かどうかは、別の問題です。AARO自身は2024年3月に公表した報告書で、地球外技術の存在を示す「実証的な証拠は見つかっていない」と結論づけています。AAROが受理したUAP関連の報告は、2026年初頭までに2,000件を超えていますが、その多くは気球や鳥、ドローン、衛星、航空機といった「ありふれた物体」として説明がついているのが実情です。

2026年、わかっていることと、わからないこと

ここまで見てきた事実を、いったん整理してみましょう。

2026年時点で「確定していること」

  • アメリカ政府は、UFO・UAPに関する大量の記録を公式に機密解除し、war.gov/ufo で一般公開した
  • 大統領の指示のもと、複数の政府機関が関わる開示プロセスが進行している
  • 過去には海軍の3映像が公式に認められ、議会レベルの公聴会も開かれてきた

一方で「まだわかっていないこと」

  • 公開された物体が本当に「説明不能」なのかは、データ不足で検証が難しい
  • 非人間起源の機体を政府が回収したという証言は、裏づけが取れていない
  • 政府自身が「地球外生命の確実な証拠ではない」と明言している

大切なのは、「信じるか、信じないか」という二択で考えないことです。今、私たちの前にあるのは、「何が公式な事実で、何がまだ不明なのか」を、自分の目で確かめられる材料です。政府がそろえてくれたこの材料を、どう読むか——それは、受け取る私たち一人ひとりに委ねられています。

まとめ

2026年は、UFO・UAPをめぐる議論が「オカルト」から「公文書」へと移った、一つの転換点になるかもしれません。

ただし、それは「宇宙人がいると証明された年」ではありません。「政府が、答えの出ていない記録を、判断を保留したまま開示した年」です。この冷静な線引きを忘れずに、公式の一次情報に触れてみることをおすすめします。

夜の都市伝説TVでは、この「2026年の情報開示」をめぐる動きを、動画でもさらに掘り下げて取り上げる予定です。公開の際は、ぜひそちらもご覧ください。


参考・出典

  • アメリカ国防総省 UFO情報開示ポータル(PURSUE): https://www.war.gov/ufo/
  • All-domain Anomaly Resolution Office(AARO)公式サイト: https://www.aaro.mil/
  • United States UFO files(PURSUE)— Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_UFO_files

※本記事の固有名詞・年月日・数値・引用は、上記の政府公式サイトおよび報道(DefenseScoop、CNN等)をもとに検証しています。各発言・データの一次照合の詳細は、社内検証ログ(ufo-disclosure-2026-pursue-factcheck.md)に記録しています。