ナックラビーはスコットランド版海坊主

気味の悪い水妖ナックラビー

ナックラビー(又はナックラヴィーとも発音される)は、スコットランドの伝承に登場する水に潜む幻想生物です。
実際は妖怪の様な位置づけの様で、調べてみると様々な近隣の国のモチーフが合わさっている感じもあります。

古くはケルト神話にもその名前を見る事が出来る様ですが、水妖と言うだけあって、人類の海に対する畏敬の念から誕生した生物だと思います。
世界中で水に関係する未確認生物や幻想生物の逸話は多く存在しますが、細かいディティールは他の者と一線を画します。

異様で不気味な外見

ロマンシングサガ等一部のゲームにも登場します。
最近では書籍の中にも掲載される事も増えて来ましたが、特筆すべきはその外見ですね。

ギリシャ神話のケンタウロスの様に、上半身は人間の男で下半身は馬の物になっています。
もしくは馬に乗った状態で一体化してます。

そして、何故か全身の皮膚はズル剝けで、筋肉がそのまま露出していると言います。

更に目は一つしか無く、赤々と燃えている様です。
鼻は豚の様に醜く、口も大きく両サイドに向かって割けています。

どうでしょう。こうして文字にしてみても圧巻のフォルムですね。
おおよそこの様な生物が過去に実在したとは思えませんが、ここまで来るといかなる経緯でこの外見に行きついたのか気にもなってしまいます。

実はこれ以外にも外見の特徴は細かくあるんですが、その数たるや過去のUMA、幻想生物の中でダントツではないでしょうか。
とても全て書ききれません。

海中から陸上に上がってくるとやばい

普段は海の中で生息していると言います。
陸に上がってくると、その口から作物を枯らす毒の息を吐きます。これには参りますね。

こんな外見の怪物が現れて作物を枯らすとなるとこれは大事です。
民間にも広く知られた伝承であるだけに、その撃退法もありますがそれは海藻を燃やして煙を浴びせると言った物になります。

この臭いを非常に嫌うらしく一応撃退出来る様ですが、キレたナックラビーの矛先は馬に向かいます。
何と、不治の病を馬に蔓延させて立ち去るそうです。非常に厄介ですね。作物に続き家畜も大ダメージを被るとなると当時の人達は何もできなくなります。

ちなみにこの馬に対する攻撃名は「モーターシーン」と呼ぶようで、妙に厨2っぽい所も現代人のロマンを掻き立てます。

沢山のモンスターがごちゃまぜ印象

意外に起源は古いナックラビーですが、恐らく細かいディティールは後年になるにつれてどんどん付け足されていったものでは無いかと思います。
上半身人間下半身馬と言うのはケンタウロスと一緒です。

一つ目と言うのもひょっとしたらサイクロプスの伝承から取られた物かもしれません。
ケルピーと言う広く知られた水馬の存在も関係ありそうですし、毒の息を吐く怪物もヨーロッパには多く存在します。

オリジナルのディティールは最終的に筋肉がむき出しと言うホラーな所だけな気もしますが。

更にはナックラビーの存在を日本で置き換えると海坊主に該当する様です。
日本の海坊主はもっとシンプルな印象ですが、スコットランドのそれは色々仕上がってますね。

歴史上ではスコットランドも沢山の民族が入り乱れて来た場所でもあります。
その過程で様々な逸話や噂、伝説を盛り込んで出来たのがナックラビーなのかもしれないですね。

画像出典元:http://www.gamereactor.se/

[当記事の著作権はhttps://chahoo.jp/に帰属します]2016/04/21
当記事の無断転載は禁止しています。

ナックラビー
最新情報をチェックしよう!
error: Content is protected !!