中世の海に存在しているとされた謎の未確認生物がビショップ・フィッシュです。
その見た目から「海の司教」、「海の修道士」とも呼ばれ、ビショップ・フィッシュの呼び名の他にもシーモンクやシービショップと呼ばれる事があります。
大航海時代の未確認生物半人半漁
西暦で言うと1400年代後半から一気に大洋に人が出て行く事になりました。
俗に言う大航海時代ですが、ポルトガルのリスボンやスペインを中心にヨーロッパの端から航海の規模が一気に花開いた時代です。
この頃から、船乗りを中心に囁かれる様になった話題にビショップ・フィッシュがいます。
当時の古い航海図や地図にもたまにその姿を見ることが出来ますが、クラーケンと並び船を襲う怪物と認知されていたようです。
今となっては中世の伝説と言う意味合いが強いですが、当時は今よりも海の事など分かっていませんでしたから、何か得体の知れない生物がいて時たま船を襲うと言う事があってもおかしくないと皆思っていたようですね。
面白いのは、当時の記録にビショップ・フィッシュを捕獲したり、時には命乞いに免じて海に返してやったりと様々な逸話が残っている事ですね。
ノルウェーでも網にかかった事が記録に残っていますし、wikiによるとドイツやポーランド沿岸の海でも捕獲されたことがある様です。
海に返してもらう際に胸前で十字を切って礼をしてから逃げて行ったと言う話もあるぐらい、当時の民間伝承に根付いた未確認生物の様ですね。
ビショップ・フィッシュ、シーモンク、シービショップは別物?
一応のくくりでは三者とも同じようで別の生き物と区別されているようですが、見た目が人間の司教にいていると言う点では被っていますね。
人間と魚の混合した物をイメージしてもらって問題は無いと思いますが、どちらかと言うとおっさんと魚が混ざって尚且つ司教が被るようなとんがり帽子を被っているかのようなフォルムです。
当時の画像等もネット上でみる事が出来ますが、どちらかと言うとグロテスクな感じも否めませんね。
有名な書物ではゲスナーと言う人が書いた「動物誌」で、イラストが載っています。
そこから派生して、ギョームの「海の魚類」、ウリッセの「怪物誌」でもその姿を見ることが出来ます。
共通しているのは鱗に覆われた手足のある半漁人の様な生物で、頭部が尖っている感じです。
ビショップ・フィッシュの正体は?
色々当時は伝説の魔物として騒がれたんでは無いかなとも思いますが、個人的には「ネオ・アトラス」と言うゲームに登場した海の司教が印象に残っています。
航海をしていると船の脇から出てくるのですが、場合によっては恐怖で航海が中止になったり、撃退できたりと正に怪物として描かれていましたwww
最近の調査研究では、その正体に関して既知の生物の誤認説が濃厚の様です。
イラストも見ても思うのですが、頭部が尖っている様は大きなイカだったんではないかなと思います。
手足や鱗は多少後年の後付だと思いますが、先ずフォルムだけ見たらイカだと思うのが妥当では無いかなと思いますね。
その他にもセイウチ説や、ズキンアザラシが候補に挙がりますが、中世とは違い近年では一切目撃情報や話が出ないのはやはり誤認説でほぼ決まりだと思います。
海に潜む司教と言う事で、何となく当時のヨーロッパの人の感性を感じれる未確認生物だと思います。
併せて、当時の版画や航海図を見るとノスタルジックな気分もなり、ワクワクしますね。