有名になった冥府の番犬
ケルベロスは人類史の中で最も有名になった幻想生物だと言えます。
名前を聞いた事がある人も多く、頭が三つある地獄の番犬と言うディティールは広く知られていると思います。
現代でもゲームを始めとした様々なエンターテイメントに登場し、特にRPG作品の中では必ずと言って良いほど登場しますね。
頭を三つもった大きな犬で描かれる事が多く、その殆どは凶暴な獣として登場します。
元々の出自はギリシャ神話まで遡りますが、世界的に知られてだけでなくその名前は色々なジャンルの中で見る事が出来ます。
地獄から逃げ出す者には容赦無し
ケルベロスにまつわる大まかな設定を見てみます。
ギリシャ神話に登場する冥府(地獄の様な物)の入り口に座し、死んでそこを通る者には何もしませんが中から逃げ出そうとする者には容赦なく噛みつくと言われています。
神話の中では冥府を収めるハーデスに忠実とされ、正に地獄の門番を地で行く犬だと言えるでしょう。
外見は大きな体躯に三つの頭部を持っています。
ここに関しても作品によって差異があり、頭部は50個の時もあればキメラの様に尻尾が蛇だったり、ライオンの鬣をもっている時もあればドラゴンが混ざってたりもします。
ゲームだけ無く映画や文学にも多く登場しますが、その殆どは三つ首の犬として描かれるので、現在でも一番イメージされるのはこの姿だと思いますね。
ケルベロス=三つの何かと言う図式は多方面で確認する事が出来ます。
弱点の多いケルベロス
凶暴で怖いイメージがあるケルベロスですが、色々な逸話の中でやらかす事が多いです。
弱点が多い事でもしられており、それだけ当時から愛されていた事も伺えますね。
有名な話では、亡くなった恋人エウリディケーを負ってきた琴の名手オルフェウスに眠らされてしまい、すんなりと通過されています。
オルフェウス自体が琴の腕前がものすごいと言う事もありますが、三つの頭が同時に眠ってしまうと無防備だと言う事ですね。
他には甘い物に目が無いと言う事が見て取れる逸話も複数あり、生きたまま冥府に向かった者の中には蜂蜜と小麦を練り合わせたビスケットの様な物を投げ与え、それに夢中になっているケルベロスの脇を通過する描写があります。
ギリシャ神話らしい何とも人間臭い描写が、ケルベロスにも生かされている感じです。
そしてパワープレイで門の前から地上まで連れてかれた事もあります。
怪力無双で知られる英雄ヘラクレスが、12の難行の中の一つ、「ケルベロスを生きたまま連れてくる」をクリアするために冥府に赴き、小細工なしで連れ去る事に成功しています。
余談ですが、この時地上に初めて出たケルベロスは太陽の明るさに驚き、その時飛び散った涎から猛毒のトリカブトが誕生したと言われています。
涎に毒があったと言う描写がここで見て取れます。
3と言う数字に込められたメッセージ
何故ケルベロスの頭は三つなんでしょうか。
2でも4でも無いと言うのは不思議ですね。
実は古来より3と言う数字は非常に重要な物として考えられてきました。
キリスト教で言う所の「三位一体」ですね。
あらゆる物事はこの3つの数字のサイクルが大きく関わると思われてたんです。
これは、ギリシャ神話のみならず先のキリスト教、ユダヤ教、他のあらゆる神話や伝説に登場します。
日本でも例外では無く、八咫ガラスと言う霊鳥は足が三本だったりとかします。
洋の東西を問わず古代の人は皆3と言う数字に神秘性を持ってたと言う事は不思議ですね。
ケルベロスに関しては、この三つの首がそれぞれ「過去」「現在」「未来」を表しているとか、「誕生」「成長」「死」を象徴しているとされてきました。
なので三つ首なんですね。
この3と言う数字が4回出てくると12になり、「12使徒」や「12支」、はたまた一年の月の数になってたりします。
等しく4も重要な数字とされてきましたが、3と足すと7になり一週間だったりするわけです。
上手く出来てますね。
[当記事の著作権はhttps://chahoo.jp/に帰属します]2016/04/11当記事の無断転載は禁止しています。