主に伝承に残りつつ現代までのフォークロアとなっているのが狼男です。
古くは中世の頃からヨーロッパ圏で伝えられてきた空想上の生き物ですが、果たして本当に空想の世界に生きるのみでしょうか?
その起源は太古までの遡る狼男
逸話として見た際にその歴史はギリシャ神話などに見るまで遡る事になります。
ギリシャ神話の主神ゼウスがリュカオーン王を狼に変身させる話などがあり、当時の文化圏ではその部分が色濃く残って来ていたのでしょう。
その他にもプリニウスの博物誌や、旧約聖書の中にもその記述を見ることが出来ます。
ローマ帝国でも一種の症候群として正式に記録されたり、北欧地方では狼の皮を被って戦闘に臨むベルセルク(狂戦士)の伝承もあります。
これらの事から分かるのは、蛇と同じく狼自体が昔は何か特別な意味合いを持つ生物として見られていた事です。
各地の伝承等を調べるとあまり良い意味で引き合いに出される生物では無かったようですが、割と身近で肉食と言う事が時速時給の民にとって今よりもずっと脅威だったんではないかと思います。
時代が進んでもそのまま狼の存在感宜しく各地の民間伝承の中にも登場します。
有名なのは、スラブ地方の山間部で広まった物がイメージしやすいかなと思います。
中世と言えばカトリックが勢力を誇っており、元々キリスト教の観念では狼自体が悪魔の使役する生物と言うニュアンスが強く、田舎と言えどもだんだんキリスト教が広まる事によりカルパチア山脈付近でも普及したんだと思いますね。
あくまでこれらは個人的な解釈でもありますが、都心部とは違う普段の生活に狼が近しい個所からどんどんこうした話が広がって行ったんではないでしょうか。
狼男の正体は?
ヨーロッパでもルーガルー、ワーウルフ等様々な呼び名で呼ばれる狼男ですが、その概要を見て見ましょう。
先ず有名な話は満月を見ると変身するという逸話があります。
昔のヨーロッパでは月は魔力を持った何かと言う解釈が強かったためこうした説が付与されたと思いますが、現代でも満月の日には犯罪発生率が上がったりします。
女性の月経にも関係している様に、人間に何かしら不可思議な効力をもたらすと言う意味ではあながち的はずれな説ではないですが、精神病の見地でも満月の日に凶暴になる人の診断でルナシーと言います。
医学でも正式名称がつけられるぐらい月と人間の関係は昔から密接だったんですね。
その他にも魔術などによって期せずして狼男に変身してしまう男の苦悩等がありますが、基本的には日本で言う所の「キツネ憑き」減少に近しい物が西洋では狼男なのでは無いかなと思います。
突然錯乱状態になり四つんばいでの歩行、その他凶暴性等がオオカミのそれと結びつけられたんではないでしょうか。
少なからずこうした病状の人は現代よりも居たと思うので、現代の人にはあまり実感が湧かないかもしれませんがこう言った背景も見過ごせません。
やはり狼男には夜が似合う
個人的に興味深いのは、主にヨーロッパの暗い伝承や伝説には狼が付いて回ると言う事ですね。
別件で有名なドラキュラも蝙蝠や狼に変身する等、魔力の何かと言う側面が付いて回ります。
他にも悪名高い魔女狩りの魔女の逸話にも、狼を使役すると言う話が出てきますから、嫌われ者なんでしょうかwww
なかなかに長文になってしまったので続きは別の機会に書いてみようと思います。
ではでは。