線引きが複雑な珍しい未確認生物スクヴェイダー
スクヴェイダーはスウェーデンに存在する架空の未確認生物です。
架空と言うのは実在しないのかと言う事になりますが、何というか伝承やジョークも入交り、何とも複雑な立ち位置になってしまっています。
日本ではあまり有名ではないスクヴェイダーですが、とかくスウェーデンでは有名なUMAで過去にはバスや博物館付近の標識になったりしています。
ユーモアも過分に含んだ身近な架空の生物ですが、日本で言う所の河童の様なイメージでしょうか。
スクヴェイダーの特徴
まずスクヴェイダーと言う名前の意味はスウェーデンの言葉で「鳴く」「ライチョウ」と言う二つの単語を組み合わせた物に由来します。
言葉遊びと言うか単語をもじって二つくっつけたものなんですね。
と言うのもこのスクヴェイダー、全身の半分はウサギ、もう半分はオオライチョウと言う出で立ちなんです。
具体的に言うと顔と前足と後ろ足はウサギで、背中にライチョウの羽が付いています。
この手の合成中を昔のギリシャ神話になぞらえてキメラとも言いますが、正に色んな二種類の生物の集合体なんですね。
スクヴェイダーの起源とは
他の未確認生物と決定的に違うのはあらかじめ作られた生物だと言う事です。
時は1900年代初頭の事、スンツゥバルと言う町のとあるレストランで男性が語ったホラ話が発端になります。
ハンターをしていたこの男性の名前はホーカン・ザネマークです。
彼が依然狩りの最中に仕留めた珍しい生物の話を創作で作ってレストランの客に話した所非常にウケが良かったとの事。
そこで気分を良くしたかどうかは分かりませんが、それからも口頭でスクヴェイダーは浸透していったんでしょう、何年かして自分の誕生日に当時の家政婦の甥がスクヴェイダーの絵をプレゼントしてくれました。
1912年、ホーカンの死に際してこのスクヴェイダーの絵を地元の博物館に寄贈し更に万人の目に触れる事となりました。
推測ですがここでもスクヴェイダーは好評を博したんでしょう、当時の博物館の館長カールは知り合ったばかりの剥製師ルドルフに絵を見せて事の経緯を説明しました。
スクヴェイダーの剥製を作ってもらうためですね。
こうして絵の他にもウサギとライチョウをミックスさせた未確認生物の剥製は完成し、博物館の目玉となったんです。
冒頭でも書いたスクヴェイダーの標識はこの博物館の近くにあり、ジョークではありながら訪れる人の目印にもなり更に有名になっていきます。
スンツゥバルでの名所の様な感じだと思いますね。
スクヴェイダーはユーモアとメルヘンの創作物だった
こうしてスクヴェイダーと言う名前は現在にも残る物となったんですね。
今では振り切った存在として、存在しないUMAとしての代表格でもあります。
けれどネームバリューはあり、その存在自体は多くの人が知っていると言う他に類を見ない独特の立ち位置になってしまいました。
不思議な物で、あらかじめ存在しない未確認生物と言われても嫌な気はしませんね。
「こう言う話もあったんだ」と言う感心すら覚えます。
恐らくウサギの愛嬌が強い事からかわいさが勝ってしまっているんでしょう。
日本でも河童や人魚のミイラと言ってグロテスクな物を見た事があると思いますが、あれも実際は当時専門の知識を持った人が色んな生物を繋ぎ合わせて作った物です。
人の注目を集めるには目新しい手法だったんだと思いますが、江戸時代と近しい年代に北欧でも同じような事が行われているのも何だか不思議ですね。
画像参照:https://ja.wikipedia.org/