海底から引き揚げられた古代の機械
アンティキティラ島の機械はオーパーツの中でも異彩を放つ有名な物です。
今日に至るまで殆どのオーパーツがその真偽を調べる過程で偽物と判明している中、今だにその概要の一部しか解明されていない謎の歯車です。
実はこのアンティキティラ島の機械、古代の天文学的な観測機器だった可能性が非常に高く、発見されたのは1901年と今から100年程も前になりますが最近まで何に使われているか希少性がまったく分かっていなかったオーパーツです。
当時としては場違いな複雑さと正確性
元々オーパーツの語源には「場違いな物」と言うニュアンスが込められていますが、このアンティキティラ島の機械程場違い感の強いオーパーツは無い気がしますね。
と言うのも、仮に本当に天体観測機だとしたらその技術が正式に歴史に登場するのが、この歯車が作られたおよそ1000年後の事だからです。
鑑定では恐らく紀元前150年前後に作られた物と言う事で、日本ではまだまだ文明のぶの字が始まった位の頃なのに、遠く海を越えたヨーロッパでは高度な文明が発達していた事になります。
やはり紀元前と言う冠が付くだけで気の遠くなる様な印象も受けますね。
果たして大昔にこれほど高度な文明を持った民族が居たのでしょうか?
モナ・リザよりも価値の高い機械
上記で書いた鑑定結果を踏まえて考えると、特筆すべきはそのデザイン性です。
今風に言うとソリッドな、それでいて簡潔に用途に直結したデザインは天文学の知識もさることながら、職人が細部までこだわって作った物だと言う印象を与えてくれます。
カーディフ大学の研究者、エドマンド教授の言葉によれば「モナ・リザより価値があると言わざるを得ない」と言う名言も飛び出ており、冷静に考えると時代考証も含め研究する価値も十分にあると言えるでしょう。
アンティキティラ島の機械の機能
では具体的にこの機会がどの様に作動して、又どの様に機能していたかとなると一気に話は専門的になる。
発見される事は無かったが、特定のクランクを指してまるでオルゴールの様に機会を回す事で観測結果を得る事が出来ていたようですね。
30~72個もの大小の歯車が内部に設置されていて、クランクを回すと太陽や月に見立てた天体モデルが自動で運航行路をはじき出すと言う物です。
背景には当時の天動説をモチーフにしている事や、他にもソティス周期に基づく一年間のエジプト製カレンダーを使用していて、黄道12宮の各記号も書かれているとの事です。
こうして書いていても素人ながら非常に高度な文明があった事は言うに及ばずですが、ではこのアンティキティラの機械は誰がどこで作った物なんでしょうか。
アンティキティラの機会の起源二つの有力説
大きく分けると現在では二つの説が出てきます。
一つ目は、古代の世界七不思議に登場する「ロードス島の巨人」にまつわるロードス島にあったと言われたアカデミアで制作されたと言う説ですね。
このアカデミアと言うのは、アカデミーの語源にもなったいわゆる学問の追及場で、今風で言ったら大学みたいなもんでしょうか。
当時の学者ポセイドニオスかヒッパルコスが作者ではないかと言われています。
実際他の文献等で見る事が出来る二人の理論も組み込まれているようで、制作に関わっている可能性が高いです。
もう一つの説は、ルーツその物が古代コリントスにあると言われる説で、そのまま辿って行くとギリシャの数学者アルキメデスまで遡る事が出来ると言われています。
どちらの説が正しいのか、もしくは第三者が制作したものなのか、真偽は今だに不明ですが超古代文明のロマンを掻き立てるには十分な魅力ですよね。
いつか詳細が判明する日が来ると思っています。
[2016年6月16日 追記]アンティキティラの機械の秘密が解明された?
[youtube id=”UpLcnAIpVRA” align=”center” mode=”normal”]発見されて後、今日まで地道な研究が続けられていた「アンティキティラの歯車」。
この度その秘密が解明されたと言うニュースが入ってきました。
参照記事→https://www.washingtonpost.com/news/
上記の参照元によると、X線調査を行った当時のギリシャ人が天体観測およびオリンピックの時期を算出するために使用していた可能性が高くなりました。
長らく海底に沈んでいたことにより、このX線調査を行うまでそこに3500程度の文字が書かれていた事も不明のままでしたが、新たに判明したみたいです。
当然の様に、海水の浸食や衝撃により部品同士がぶつかっている痕跡もあり、それに伴い文字も潰れてしまっている部分が多いようです。
この調査・研究自体は2005年前後から継続的に行われていましたが、文字列が発見された当初はこの歯車の使用方法に関しての説明文だと思われていました。
しかし、最新の結果によると、より抽象的な文字列のようでオーパーツの中でもより多くの情報を含んだ物と言えます。
おさらいですが、今から2100年前に作られたと思われるこの超古代の精密機械は、細かいパーツの他におよそ30程の青銅製の歯車から成り立っています。
最新の結果では、メモリの描かれたパーツもあり、少なくとも3種類のカレンダーを内包しオリンピックの日時を算出するための機械との事です。
当記事の無断転載は禁止しています。