タクシー怪談のルーツ!新聞にも報道された深泥池の幽霊

京都市北区上賀茂にある深泥池(みぞろがいけ)は、心霊タクシーの元祖になった場所です。

TVの心霊番組にも度々取り上げられるので、心霊好きなら一度は耳にしたことがあるはずです。

深泥池にまつわる心霊話の中でも特に有名なものは、心霊タクシーでしょう。深泥池にまつわる心霊タクシーについて、掘り下げてみました。

深泥池へのアクセス

  • 京都地下鉄「北山駅」から徒歩15分
  • 京都市バス「深泥池」下車徒歩5分

深泥池周辺は、住宅地になっています。近隣住民の迷惑にならないようにして下さい。

また天然記念物に指定された場所でもあるので、荒らし行為は絶対に辞めましょう。

「深泥池まで…」深夜にタクシーに乗り込んだ女性

タクシー運転手は京大前で客を降ろし、日報をつけていました。時間は深夜1時頃です。すると突然、女性が「乗せてもらえませんか?」とやって来ました。運転手は女性を後部座席に乗せて、行き先を尋ねます。

女性はただ一言「深泥池まで」と伝えました。運転手は「深夜遅い時間帯に女性1人が深泥池に、何の用事だろうか?」と不審に思いながらも、深泥池へとタクシーを走らせます。時折バックミラーで女性の様子を確認するも、本人は終始うつむいたままです。

女性を乗せてから10分後に、深泥池手前まで到着しました。タクシーを停車して後に、運転手は後部座席の方へ振り返ります。すると、つい数分前までいたはずの女性の姿はありません。さらに女性が座っていた後部座席は、茶色い液体で濡れていました。

運転手は事故に巻き込まれたと思い、急いで警察に通報。通報を受けた警察は現場周辺を捜索したものの、女性は発見されませんでした。

以上は、1969年に新聞で実際に報道された内容になります。

「花山まで…」深泥池からタクシーに乗り込んだ女性客

心霊タクシーの話には、深泥池から乗客を乗せたパターンもあります。

タクシー運転手は、深泥池付近で1人の女性を車に乗せました。「お客さんどこまで行かれますか?」とタクシー運転手が尋ねると、女性は「花山(かざん)まで」と告げます。

深泥池から花山までは、車で40分の距離。運転手は怪訝に思いながらも、深泥池から花山へと向かいます。花山に到着し、運転手が後ろを振り向くと女性の姿はありません。女性が座っていたシートは、水で濡れていました。

タクシーに乗った女性の正体は?

タクシーに乗った女性の正体は、深泥池に集まった幽霊の1人と思われます。根拠となるのが、深泥池にまつわる幽霊話です。深泥池で語られているのは、タクシーに乗る女性の話だけではありません。

・池付近の大勢の子供の幽霊がいた

・甲冑を着た武士の幽霊

・付近を走行していた車にしがみついていた老人の幽霊

・池で命を断った人の幽霊

・霊感が強い人が深泥池に訪れると足を引っ張られる

池に出没する幽霊の年齢層は、子供から老人までかなりの幅広さ。甲冑を着た幽霊の話もあることから、時代もバラバラです。共通点が1つもありません。となると、考えられる答えは1つだけ。京都中から水を求めてやって来た幽霊達であることです。

事実として、世界各国の心霊スポットの多くは水辺にあります。テムズ川近くにあるロンドン塔は、イギリス屈指の心霊スポットです。「世界最強」と呼び声が高いメキシコの「人形島」があるのは、ウエツァリン湖。

深泥池も「水辺」になります。水を求めて彷徨いたどり着いた場所こそが、深泥池だったのでしょう。

新聞で報道された本当の幽霊の正体は?

深泥池に出る幽霊は、水を求めて彷徨っている魂であるのは間違いありません。深泥池から花山までタクシーで向かった幽霊も、深泥池に彷徨う幽霊の1人だったのでしょう。

しかし新聞で報道されたタクシーに乗車した幽霊に関しては、全くの別物です。矛盾しています。

話を整理してみましょう。タクシー運転手が女性を乗せた場所は京大前であって、深泥池付近ではありません。水を求めて彷徨っていた幽霊であれば、大学近くを流れる鴨川に行けば済む話です。

一体どういうことなのでしょうか?問題解決の糸口になりそうなのが、警察視点から語られる幽霊タクシーの話になります。

「乗客がいなくなった」という通報をタクシー運転手から受けた警察は、付近を捜索しました。発見されたのは女性ではなく、京大医学部解剖学教室のトラックでした。

トラックには”何が”乗っていたかについては、明らかにはなっていません。ただタクシーに乗った女性の体が乗っていたのなら、説明がつきます。

「女性の幽霊の正体は、京大医学部解剖学教室に乗っていた人物の魂」と。

深泥池は貴重な動植物が生息している心霊スポット

深泥池は心霊スポットとは別に、自然豊かな場所としても知られています。諸説はあるものの、池が出来たのは14万年以上前のこと。氷河期から存在していた動植物が生息しており、中には絶滅危惧種に指定されたものも。

深泥池は恐ろしい場所であると同時に、貴重な動植物が住まう場所でもあります。

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