その時代に存在するはずのないもの、当時の技術や知識では作り出すことが困難なもの、それらを総称してオーパーツと呼びます。
謎に包まれたオーパーツのひとつ、「フライベルク・スカル」について触れてみましょう。
フライベルグ・スカルとは?
フライベルグ・スカルとは、19世紀初頭に、鉱山・鉱業の中心地として知られるドイツのフライベルグで発見された頭蓋骨の工芸品です。
1500万年前に形成された褐鉄鉱石の地層から発見されたもので、褐炭、褐鉄鉱石、磁鉄鉱石で構成されています。
そのため「褐炭の頭蓋骨」とも呼ばれています。
一般人が作った贋作だった?
この頭蓋骨は当初、ルーチャーという人物の所有物でした。
1813年に彼が息を引き取った際に、彼の所有する不動産の中から偶然発見されました。
ルーチャーの死後に発見されたため、残念なことに、この頭蓋骨が発掘された詳しい場所についてはわかっていません。
その後、フライベルク鉱山のロイヤル・アカデミーが所有する事となって研究が始まりました。
19世紀に入ると、ドイツのゲルハルト教授が「フライベルグ・スカルは無名の一般人が作った贋作である」という説を唱え、その見解が一般的になります。
覆された説と発見された高度な技術
1998年にCTスキャンで調査したところ、頭蓋骨内部が樹木の年輪のように幾重もの層をなしていることが判明しました。
もしこれが贋作だとすると、高熱の素材(褐炭の融点は110〜360度)の薄膜を一枚ずつ重ねて作り上げる必要があります。
しかし、このような技術で作られた工芸品は当時存在しないことから贋作の可能性は低く、ゲルハルト教授の説は覆されることになったのです。
一度は贋作の疑いをかけられたフライベルグ・スカルでしたが、これ以降オーパーツとして注目されることになりました。
現在、オーパーツやオカルトを肯定する人々の間では、宇宙からもたらされた文明によって作り出されたものではないかと考察されています。
まとめ
フライベルグ・スカルは、19世紀初頭にドイツのフライベルグで、1500万年前の地層から発見された頭蓋骨の工芸品です。
一般人の贋作と言われていた時代もありましたが、CTスキャンでの調査によって、当時には存在し得ない高度な技術で作られたということが判明しました。
一部の支持者からは、フライベルグ・スカルこそ、真のオーパーツであると言われています。
1500万年前にどのようにして作り出されたのか、宇宙の文明との交流の証拠なのか、議論は絶えません。
科学技術がさらに進歩していつか謎が解き明かされる日がくるのか、とても楽しみなテーマの一つですね。