新城島(あらぐすくじま)に、古くから伝わる秘祭“豊年祭”をご存知でしょうか?
撮影・口外禁止の秘祭や禁足地、島にまつわる恐ろしい噂とは?
秘祭の舞台、新城島
新城島は沖縄県の八重山諸島に属しており、別名パナリ島とも呼ばれています。
島民はわずか数人で、商店や郵便局、診療所、警察署などはありません。
美しい自然の中でダイビングやシュノーケリングなどのマリンスポーツが楽しめる観光地として人気ですが、島への定期航路便はなく、訪れる際は観光ツアーを利用する必要があります。
人魚伝説と禁足地
新城島には、「人魚伝説」があります。これは周辺にジュゴンが棲息していたためで、ジュゴンを捕獲し、その肉を干して乾燥させ、琉球王朝へ献上していました。
島にはジュゴンを祀る御嶽(うたき)が存在しています。この御嶽は「人魚神社」とも呼ばれ、島民以外の立ち入りや写真撮影が禁止されています。
他にも立ち入りを禁じているいわゆる禁足地があり、新城島を訪れた際は必ずガイドの指示に従うように厳しく定められています。
島民のみが参加を許された秘祭「アカマタ・クロマタ」
新城島では年に1度、旧暦の6月に「アカマタ・クロマタ」と呼ばれる神様が現れる豊年祭が行われます。
「アカマタ・クロマタ」の姿は、背丈が2メートルから2.5メートルもあり、怖い形相の仮面をつけ、全身を草で覆った姿であると言われています。
赤い面を被っているアカマタが男の神様、黒い面を被ったクロマタは女性の神様とされています。
祭に参加できるのは島の出身者と親しい関係者だけで、祭の行われる期間は部外者の島への立ち入りは禁止です。秘祭の秘密を暴こうとして島民とトラブルになったり、不可解な死を遂げたり、行方不明になった人もいます。
また、写真撮影やスケッチ、録音、開催日時や祭りの内容を口外することも禁止されているため、島民以外が祭の内容を知ることはできません。これだけインターネットが発達していても画像などが出回ることのない、多くの謎に包まれた秘祭です。
島にまつわる恐ろしい噂
新城島にある禁足地に立ち入るとシャドーマンと呼ばれる黒い影に遭遇し、1年以内に悶え苦しんで死ぬという噂があります。
このシャドーマンは沖縄のシャーマンであるユタであっても命を落とすことがあるほど危険な存在と言われています。
お経をあげて命の危機を回避したという話もあるようですが、何より危険な場所に足を踏み入れないというのが大切ですね。
まとめ
撮影・口外禁止と秘密を固く守られてきた豊年祭。足を踏み入れることの許されない聖なる土地。囁かれる怖い噂…。
美しい自然とマリンスポーツの秘境スポットとして知られる一方で、多くの謎を抱える一面もある新城島は、とても魅力的な島ですね。
もしも訪れる機会があったら、島のルールを遵守して、素敵な時間をお過ごしください。