北海道にそびえる常紋トンネルは、オカルト好きの間では心霊スポット、電車好きの間では電車の撮影スポットとして有名なトンネルです。
JR北海道の石北本線の生田原駅と金華信号場(旧・金華駅)の間にあり、全長は507m。
決して長くはないトンネルですが完成までに3年の時を費やしており、日本で一番凄惨な過去をもついわくつきのトンネルだと言われています。
この記事では、なぜ常紋トンネルが心霊スポットと呼ばれるようになったのか、どのような心霊現象が起こっているのかを紹介していきます。
果たして、このトンネルの奥深くに潜む謎とは──。
常紋トンネル
このトンネルで働いていた労働者たちは「タコ」と呼ばれ、わずかな食事と過酷な労働を強いられ、休息もまともにとれない劣悪な環境下にいたとされています。
ちなみに「タコ」は漢字で「他雇」と書くことであり、これは県外からやってきた労働者たちのことを指します。
常紋トンネルに限らず、当時は県外の人に対する差別意識から「他雇」の方たちは不当な扱いを受けることが多かったそうです。
限界を迎えた労働者は次々と倒れていき、治療も受けさせてもらえないどころか酷い暴行を受けて死亡してしまいました。
このような劣悪な環境で、1912年の3月から1914年10月の間になんと100名を超える死者が出ています。
こんな環境に耐えられず逃げ出す人もいたそうですが多くの場合は捕まってしまい、見せしめのために全裸にされてスコップで殴られるなどの暴力を受けるのだそうです。
体罰で亡くなった労働者たちは、見せしめとして人柱としてトンネル内に立てられていたという話もあり、近辺の住人たちによって都市伝説として語られていました。
人柱
常紋トンネルが完成してから約50年後、1968年に十勝沖地震が起きトンネルの壁が崩落するほどの甚大な被害を受けました。
そして、トンネルを修復する工事の際、なんと崩落した壁の中から立っている状態の人骨が見つかったのです。
頭蓋骨はひどく損傷しており、凄惨な暴力を受けていたことは明らかでした。
さらにその後、壁から10体以上の人骨も発見されており、人柱の話は都市伝説ではなかったということがわかります。
他にも、近辺の山林から人骨の一部などが見つかっています。
やがて1980年に「常紋トンネル工事殉難者追悼碑」が建てられ、これらの人骨はそこへ埋葬されました。
このような過去があり、常紋トンネルは心霊スポットとして有名になったのです。
心霊現象
ここで起こる心霊現象として以下の体験談が寄せられています。
・男性の唸り声が聞こえる
・写真を撮るとモヤがかかる
・懐中電灯などのライトがパカパカと点滅する
さらに、以前はJR北海道の旭川支社の公式HPに職員の体験談が載っていました。現在そのページは削除されていますが、アーカイブが残っているので気になる方はご覧ください。
https://web.archive.org/web/20010208000659/http://www.jrasahi.co.jp/under/kowai/jomon.html
まとめ
いかがでしたか?
今回は常紋トンネルについてご紹介しました。
常紋トンネルの心霊現象に関する謎は未だに解き明かされていない部分が多くありますが、過去に多くの死者を出したこと、人柱の話は事実です。
そのような過去があることから遊び半分でこの場所に立ち入ってはいけないことが分かります。