アフリカの大蛇グローツラングの伝説

宝石を守る巨大な蛇

グローツラングとはアフリカ大陸に住むとされる巨大な蛇です。
その伝承の歴史は古く、大航海時代には既に暗黒大陸=アフリカに存在すると言われていました。

現在の地名で言うと、南アフリカ共和国のリスタフェルトと言う地域に居るとされています。
ここに流れるオレンジ川の傍に住み、広大な洞窟の中に潜んでいるとも言われていますね。

伝説では巨大なダイヤモンドもしくは大量のダイヤモンドを守っていて、無事に洞窟の最深部までたどり着きグローツラングを出し抜くこと出来ればそれらを手に入れられると言います。
似たような話はファフニールと言うドラゴンが宝を守っていると言うジークフリードの伝説にも見ることが出来ますね。

他にもギリシャ神話ではラドンと言う大蛇が黄金のリンゴを守っていたりします。
やはり古代より蛇信仰の一部で、宝を守っていると言うディティールは世界共通なのかもしれないですね。

少なくともヨーロッパではギリシャ神話のラドンの話からインスパイアされてる感じもします。

グローツラングの特徴

このグローツラングと言う未確認生物はただの大蛇ではありません。
ダイヤモンドを守っているだけあって、両目の代わりに眼窩にダイヤモンドが埋まっていると言われています。

あくまで伝承ですが、この事から未確認生物と言うよりは精霊の一種とされる事もありました。
遭遇してしまうと災いが降り注ぐとも言われ、どちらかと言うと恐れられる存在だったようです。

グローツラングが潜む洞窟も、別名底なし洞窟と呼ばれ、入って出てきた者はいないと中世では信じられていました。
今の様に世界地図も無かった時代ですから、ヨーロッパより遠方に行くと未知の怪物や宝があると言う事を信じている人は多かったんですね。

日本がジパングと呼ばれ黄金で埋め尽くされていると思われた時代もありましたが、それと同じようなニュアンスだったんではないでしょうか。

グローツラングの正体

では、グローツラングの正体はなんなんでしょうか。
大蛇と言ってもモチーフになった種類はありそうです。もちろん伝説の趣が強く、写真に撮られたわけでもないですが、昔はニシキヘビがその正体と思われていたようですね。

英語で言う所のパイソンですが、そもそもこの単語自体がギリシャ神話に登場する巨大な大蛇ピュートーンから来ています。
ニシキヘビの場合英語表記でPythonと書きますが、ピュートーンも元々そのままPythonと書きます。

要は単純に英語読みした物がニシキヘビのモデルになっているんですね。
そう考えると、やはりルネッサンスに見るように中世ヨーロッパでのギリシャ神話の影響力は相当な物があったんでしょう。

南ヨーロッパから海を隔てた暗黒大陸の内部には、このギリシャ神話から取られたモチーフで同じような怪物が居ると思われていたと言う事ですね。

これ以外にもアフリカには蛇にまつわる信仰や逸話や伝説はすごく多いんですが、背景には渡来したヨーロッパの文化も関係ありそうですね。

[当記事の著作権はhttps://chahoo.jp/に帰属します]2016/06/29
当記事の無断転載は禁止しています。

グローツラング
最新情報をチェックしよう!
error: Content is protected !!