密林に点在する精巧な石球
オーパーツの中で「コスタリカの石球」と呼ばれる物があります。
その名の通り、石で出来た大小様々な球ですが、至ってシンプルな仕上がりになってます。
この石球が世間で有名になったのは、作られた目的も不明なら、誰がどうやっていつ作ったかも分かっていないからなんですね。
他のオーパーツと比較しても、地味な印象はありますが、その分謎が深く気になる物なんです。
星座の配置を元に作られている可能性
コスタリカの石球が発見されたのは、1930年代初頭の事と言われています。
南米のコスタリカの密林で複数見つかった事が最初です。
現在までに発見されている石の数はおよそ200個にものぼるとの事ですが、材料となったのが花崗閃緑岩で、これは近くのタラマンカ山地から採取された物と言う事も確認されています。
その大きさも色々な物があり、一番小さな物では直径2センチ、対して大きな物では直径が2メートルにもなります。
この大きな石球は圧巻の迫力があり、確かに何の目的で作られたのか問いただしたい衝動に駆られます。
それを研究する上で欠かせないのが、石の位置=星座の配列ですね。
見つかった当初の位置は、そのまま天空の星の位置に沿って置かれていたのではないかと言われています。
一般に超古代文明と呼ばれる各地の神話には、必ずと言っていいほど星にまつわる物が出てきます。
コスタリカの石球も、そうした天空に関連するオブジェクトないし儀式的なモチーフだった可能性があるんですね。
しかし、ここで問題なのがそれを証明する術が殆ど消失してしまっていると言う事です。
長い年月の中、世間で注目されるよりも前にその存在を知っていた地元の人は沢山います。
昔はこの石球の中に黄金が隠されていると言うデマもあったらしく、当時黄金を取りだすために幾つかの石は割られてしまっているんですね。
他にも、発見された時の位置が元々の物とは限りません。
そこまで大きくない物であれば大人数人で移動させる事も可能ですから、既に動かされていた形跡もあります。
そうした要因があって、あくまで星座に紐づいたこの仮説は最近下火になってしまっています。
石球の表面に注目したい所
不思議な事に、石球の中のいくつかには表面に彫刻の跡があります。
これは、やはり星や天体に関するモチーフが彫られているとの事で、やはりそうした信仰に関する理由で作られたのかもしれません。
調査が進むと、石を球形に近づける過程で表面を熱したり冷ましたりした痕跡も出てきました。
そうして熱疲労を加えた後、叩き、削り最終的に表面を丹念に磨く事で出来ている様ですね。
この様に表面を調べた事によって、幾つかの謎は判明してきました。
思えば自分が小学生の頃は、まだ謎の石球が幾つも存在すると言う程度の話題しか無かったですが、科学の力も捨てたもんじゃないですね。
誰がコスタリカの石球を作ったのか

出典:http://4.bp.blogspot.com/
一番気になるのは、いつ頃の時代に誰が作ったのかと言う点です。
一説には作られた時期は紀元後300年から800年程の間ではないかと見られていますが、そうなると当時この地域で栄えていたディキス石器文化が有力になります。
主に南米の古代文明は、すべからく石との関連性が強い物が多いです。
地域性として、他の材料が無く石を上手く使うしか方法が無かったのかもしれませんが、建造物にしてもこうしたオブジェにしても荘厳な石造りの物が多いですね。
コスタリカの石球も、一見異様に見えますがそうした文明の名残なのかもしれません。
当時の文化で石球を作る事は可能だったか
コスタリカの石球がオーパーツたる所以は、やはり当時の文明でこれだけの物を作る事が出来たのかと言う所です。
単純に石を球形にするのは出来そうですが、コスタリカの石球に関しては限りなく真球に近く、そうでない物もそれを目指した痕跡があるんですね。
一番真球に近い物でその誤差0.2%と言われています。
中にはその誤差すらまったく同じ数字の物が二つあったりして、謎は深まるばかりです。
作り方として考えられているのが、先ほども触れた熱疲労を加えて削っていく手法です。
実はこの方法自体は、当時より斧や槍を作る際にも用いられていた物で、それと同じ要領で石も球にしていったと言う事なんですね。
ポイントは、ある程度削ったり叩き落とした後、同じ種類の石で磨く事で綺麗に仕上げる事です。
必要なのは時間と根気でしようか、ここまでのクオリティを人力で発揮するのは慣れも必要な気がします。
恐らく信仰心や、ちゃんとした目的が無ければ成し遂げられないでしょう。
ひょっとしたら、催事や儀式用に永続的に行う必要があったのかもしれませんね。そう考えると「伝統文化のパイオニア」なのかもしれません。
余談ですが、この記事を書いていたら久しぶりに泥団子を作ってみたくなりました。
[当記事の著作権はhttps://chahoo.jp/に帰属します]2016/05/21当記事の無断転載は禁止しています。