1928年、ペルー南部パラカス半島の砂漠で古代のものとみられる共同墓地を発掘中にある奇妙な頭蓋骨が発見されました。
この頭蓋骨はパラカス・スカルと呼ばれ今から約3000年前のものとみられていますが、その頭蓋骨は頭骨の部分が異様に長かったのです。
一体この頭蓋骨の持ち主はどんな種族だったのでしょうか?
今回はこの奇妙な頭蓋骨について探求していきたいと思います。
パラカス・スカルが発掘された経緯
パラカス・スカルはペルー南部ピスコ州近郊にある砂漠地帯パラカスの共同墓地から発掘されています。
この墓地周辺は非常に乾燥した地帯で、パラカス・スカルの他にも400体余りものミイラが発掘され、中には頭蓋骨に穴を開けて外科手術を施した跡のある遺骨なども発見されました。
パラカス・スカルの特徴
パラカス・スカルの特徴はまさにその長く伸びた頭骨です。
長頭頭蓋部分の容積は従来の人類のものと比較すると約25%も大きく、 その重量は60%も重いとされています。
さらに通常の人類の頭蓋骨の頭の部分は大きくて 前頭骨と左右で一対をなす前頂骨と後頂骨の4つの骨が組み合わさって形成されていますが、 パラカス・スカルはその全てが繋がって一体となっていることから、通常とは頭蓋骨の構造そのものが大きく異なっているようです。
パラカス・スカルは人類じゃない?
2020年9月、パラカス・スカルのDNA検査の結果において驚くべき発表がありました。
パラカス歴史博物館のブライアン・フォレスター館長によると
「新たなDNA検査で既存の進化樹に属さない未知の遺伝子情報が見つかった。スカルの主はホモ・サピエンスではなかった」
と発表したのです。
このDNA検査によってパラカス・スカルは旧人類のネアンデルタール人や現代の私たち人類とは違う異なる種族だったことが明らかになりました。
研究者たちの中にはパラカス・スカルは古代に宇宙からやってきた地球外生命体では?という憶測をする人もいて、パラカス・スカルの正体について意見が飛び交ったのです。
他の地域で見つかったパラカス・スカルの同種?
南米ペルーのあの有名な地上絵があるナスカの地下から発掘された墓地からも奇妙な体型をしたミイラが見つかりました。
このナスカの墓地でもパラカス・スカルと同様に頭が異様に長いミイラが発見されたのです。
しかもこのミイラは指が3本しかないという特徴もあり、後にマリアと名付けられました。
さらに2021年にはメキシコのタスコからシトラルテミニと名付けられた4本指の長頭ミイラが発見され、そのミイラ化の手法はナスカのマリアと似ているという特徴があったのです。
2018年5月、マリアのDNA解析が行われました。
その結果、95%が霊長類と同じDNAで残りの5%は人類のDNAの構造と似ているものの未知のものだということが判明したのです。
マリアのDNAもパラカス・スカルと同様に人類とは似ているものの少し違う存在であるという結果になりました。
最新の研究で正体が判明?
アメリカのロサンゼルスで長頭頭蓋骨に関するシンポジウムが開催されました。
パラカス・スカルの頭蓋骨をDNA検査したというL・A・マルズリとブライエン・フォレスターによる解析の結果は、この長く変形したパラカス・スカルの頭蓋骨は、人工頭蓋変形によるものではなく、遺伝子の異常を持って生まれてきた人類の亜種だということでした。
ブライエン・フォレスターによるとパラカス・スカルのDNAはとても複雑で、解析結果を出すのにとても時間を要したとのことで、最終的に彼らは人間の亜種であると結論づけたのです。
まとめ
パラカス・スカルは今回のDNA解析では先天的な遺伝子の異常を有している人間のの亜種であるとされました。
しかしこれはあくまでDNA解析の結果を見て結論づけた結果で、確実に証明されたわけではありません。
もしかすると今後の研究がさらに進むと、パラカス・スカルは宇宙人?説も復活する可能性もあります。
今後のさらなる研究に期待したいと思います。